プログラム開発の流れ

サンプルプログラム HELLO.ASM を例として、プログラムのアセンブル手順を紹介します。一般に、プログラムの作成手順は以下のようになります。

1. ソースファイルの作成

テキストエディタを使用して、プログラムのソースファイル(ソースコード)を作成します。ソースファイル名の拡張子は「.ASM」とするのが一般的ですが、これ以外でもかまいません。

/A を指定しない場合は、少なくとも SEGMENT 文、ENDS 文、END 文を記述する必要があります。次は簡単なソースコード例です。

cseg    segment
    mov    ax, [si]
    mov    [di], ax
    ret
cseg    ends
    end

/A を指定してアセンブルする場合は、SEGMENT 文などを省略して、いきなり命令コードやデータを記述できます。この場合、上のソースコードは次のようになります。

    mov    ax, [si]
    mov    [di], ax
    ret

この方が簡単ですが、コードを複数のソースファイルに分けることができなくなります。

2. アセンブル

アセンブラ LASM.EXE を使用して、ソースファイルからオブジェクトファイルを作成します。オブジェクトファイル名の拡張子は「.OBJ」とすることが多く、LASM もそのような名前でファイルを作成します。

たとえばソースファイル HELLO.ASM をアセンブルするには、MS-DOS コマンドラインから次のように入力します。

LASM HELLO

この結果、オブジェクトファイル HELLO.OBJ が作成されます。

3. リンク

リンカ LIL を使用して、オブジェクトファイルから実行ファイルを作成します。

複数のソースファイルファイルから 1 つの実行ファイルを作成する場合は、この段階でそれぞれのオブジェクトファイルを結合します。HELLO.ASM は単一ファイルのプログラムなので、リンクといっても、ほかに結合するファイルはありません。

HELLO.OBJ をリンクするには、次のように入力します。

LIL  HELLO

この結果、実行ファイル HELLO.EXE が作成されます。

MS-DOS などに付属するリンカ LINK.EXE も使用できます。その場合は、次のようにコマンドを入力します。

LINK  HELLO;

4. 実行

これでプログラムを実行できるようになりました。HELLO.EXE を実行するには、次のように入力します。

HELLO

この結果、画面に「Hello !」と表示されます。

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