サンプルプログラム HELLO.ASM を例として、プログラムのアセンブル手順を紹介します。一般に、プログラムの作成手順は以下のようになります。
テキストエディタを使用して、プログラムのソースファイル(ソースコード)を作成します。ソースファイル名の拡張子は「.ASM」とするのが一般的ですが、これ以外でもかまいません。
/A を指定しない場合は、少なくとも SEGMENT 文、ENDS 文、END 文を記述する必要があります。次は簡単なソースコード例です。
cseg segment mov ax, [si] mov [di], ax ret cseg ends end
/A を指定してアセンブルする場合は、SEGMENT 文などを省略して、いきなり命令コードやデータを記述できます。この場合、上のソースコードは次のようになります。
mov ax, [si] mov [di], ax ret
この方が簡単ですが、コードを複数のソースファイルに分けることができなくなります。
アセンブラ LASM.EXE を使用して、ソースファイルからオブジェクトファイルを作成します。オブジェクトファイル名の拡張子は「.OBJ」とすることが多く、LASM もそのような名前でファイルを作成します。
たとえばソースファイル HELLO.ASM をアセンブルするには、MS-DOS コマンドラインから次のように入力します。
LASM HELLO
この結果、オブジェクトファイル HELLO.OBJ が作成されます。
リンカ LIL を使用して、オブジェクトファイルから実行ファイルを作成します。
複数のソースファイルファイルから 1 つの実行ファイルを作成する場合は、この段階でそれぞれのオブジェクトファイルを結合します。HELLO.ASM は単一ファイルのプログラムなので、リンクといっても、ほかに結合するファイルはありません。
HELLO.OBJ をリンクするには、次のように入力します。
LIL HELLO
この結果、実行ファイル HELLO.EXE が作成されます。
MS-DOS などに付属するリンカ LINK.EXE も使用できます。その場合は、次のようにコマンドを入力します。
LINK HELLO;
これでプログラムを実行できるようになりました。HELLO.EXE を実行するには、次のように入力します。
HELLO
この結果、画面に「Hello !」と表示されます。